アメリカザリガニの中で、はさみが大きく真っ赤なやつを
ぼくらは“まっかちー”と呼んでいました。
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ぼくの育った東京足立区中川は当時(昭和40年代)、
ところどころに田んぼも残っているようなのどかな、
しかし中川やその周辺の、油まみれのジメジメとした
空き地には5本足のカエルなどが生息しているような
そんな所でした。
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中川を越え自転車で30分、葛飾区と埼玉県の境目に
水元公園という大きな公園があり、
ぼくらはみんなそこで釣りをおぼえるのでした。
はじめにおぼえたザリガニ釣りは
ただの棒っきれにタコ糸を結び、糸の先にはするめを結わきつける
という、 とてもシンプルなもの。
スルメを投入したら糸は緩めておきます。
ザリガニがかかると糸はピンッと張るので
ゆっくりと竿をあげるとザリガニが付いてくるわけです。
そこをタモ網で掬えば簡単ですが
しっかり食わせて網を使わずに釣り上げるのが醍醐味です。
まっかちーが釣れれば大喜びです。
また小さな用水路やU字溝では
タモ網で底のドロをたっぷり掬います。
竹と針金でできたタモはドロの重みに耐えかねて
すぐ壊れます。ドロを地面にひろげると中から泥まみれの
まっかちーが大きなはさみを2本上に上げて
こっちを威嚇しながら後ずさり、
はさみを上げすぎてひっくり返ることもあります。 画面にマウスをのせると… |
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ある真夏のとても暑いある日
いつになく大型のまっかちーがたくさん採れて
バケツに入れて持ちかえり、新しい水に取り替えようと、
かんかん照りの外の蛇口から勢いよく水をバケツにいれると、
まっかちー達はさらに真っ赤に茹であがってしまいました。
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